ISUCON7予選1日目にチーム「ババウ」で参加して最終スコアは205148でした
Webサービスをいい感じにパフォーマンスチューニングするコンテスト
ISUCON7予選1日目に @netmarkjp, @ishikawa84g, @matsuu でチーム「ババウ」にとして参加しました。最終スコアは 205148 でした。
考察
netmarkjp
- 例年通りの役割分担がしっかり機能して気持ちよくできた
- 視点を変えたり休憩とったりがいい感じにできた
- 去年の何もできなかった無念は多少供養できた
- 練習をきちんと活かせた
- ベンチが安定しててすごくよかった
- BGMは東京スカパラダイスオーケストラでした
matsuu
- トラフィックがボトルネックになる問題をなかなか解決できずにいたが、Cache-Controlにpublicを入れることを思いつけた
- 304応答が安定して発生しない理由が生成される画像の更新日時がサーバ毎に異なるためであることに気づけた自分を褒めてあげたい
- Pixiv社内ISUCONを使ってじっくりチューニングしたときの経験がとても役に立った。ありがとうPixiv
- Discordチャットが結構よかった。ゲームじゃなくてもこういったイベントにとても向いていると思うのでオススメ
- NEW GAME!!を初めて見たがエンジニアあるあるでグッときた。なるほど。
ishikawa84g
最終構成
[nginx -- (varnish) -- gunicorn]x2 -- [mysql]x1
事前準備
チーム内体制の構築
環境構築用レシピを用意
itamaeを使って以下のプロビジョニングを自動化
過去問を解いて予行演習
事前公開のレギュレーションを熟読
大事
当日作業
11:30 昼食
落ち着いて美味しい昼食。ハンバーガー画像を参加者チャットに投下
12:00 - 13:00 ※開始前
ISUCON参加者専用チャットでNEW GAME!!の話題が盛り上がったためAmazonビデオで視聴開始
13:00 開始予定時刻
ポータルサイトが...オープンしない
13:10 運営よりDiscordで緊急連絡
methane - 今日 午後1時10分 もうちょっと、ごめん!
13:30 ログイン後
予め用意していた環境構築レシピを実行
並行して、各マシンのスペックと、使われているミドルウェアを確認
サービスの画面を見たりコードを読んで、どんなアプリなのかざっくり把握
ポータル上でサーバが降順で並んでて、「先頭2台」がどれなのかちょっと混乱した
MySQLのチューニングで/dev/shmに格納しようとしたところAppArmorに引っかかったため、AppArmorを調整
/etc/apparmor.d/usr.sbin.mysqld
に以下を追記
# ISUCON2017 /dev/shm/ r, /dev/shm/** rw, /proc/** r, /sys/devices/system/node/ r, /sys/devices/system/node/** r,
変更後、Profileをリロードし、MySQLを再起動する。
sudo apparmor_parser -r /etc/apparmor.d/usr.sbin.mysqld sudo systemctl restart mysql.service
14:08 インデックス追加
スロークエリーから遅いリクエストを調べてインデックス追加
ALTER TABLE image ADD INDEX (name); ALTER TABLE message ADD INDEX (channel_id);
14:30
一瞬だけ1位獲得
https://twitter.com/matsuu/status/921609614881202178
netdata見たのはこの頃までで、あとはdstatとtop
tmuxで3台分並べて表示。操作はtmuxのsynchronized-paneで楽々実施
14:33 /icons/の静的ファイル化
DBに格納されている画像データを静的ファイルとして出力する実装を行う
def get_images(): cur = dbh().cursor() cur.execute("SELECT name, data FROM image") for row in cur.fetchall(): output = "/home/isucon/images/{}".format(row['name']) with open(output, 'wb') as file: file.write(row['data'])
出力した画像はnginxから直接応答するように変更
location /icons/ { expires 60s; alias /home/isucon/images/; try_files $uri @upstream; } location @upstream { proxy_set_header Host $http_host; proxy_pass http://127.0.0.1:5000; }
14:34頃 DBとアプリ間のトラフィック改善
dstatで見ているとDBとWEBの間のトラフィックが多いのにベンチマーカーとWEBの間のトラフィックが少ないことに気づく。
同じ内容の画像が同じファイル名で重複登録されており無駄にDBからの取得が発生していることに気づいたので1行だけ取得するよう修正
cur.execute("SELECT * FROM image WHERE name = %s", (file_name,)) cur.execute("SELECT * FROM image WHERE name = %s LIMIT 1", (file_name,))
14:57 静的ファイルのgzip_static化
静的ファイルを予めgzipして保存しておき、nginxの gzip_static
で応答するように
gzip_static on; gzip_types image/svg+xml text/css text/javascript application/javascript application/font-wof f application/vnd.ms-fontobject;
15:21頃 画像を生成する
画像をINSERT時やSELECT時に出力するよう変更。
しかしサーバごとに画像を生成する実装のためこの後しばらくスコアが伸び悩む
- 画像にexpiresを付けてみる→多少改善するものの根本解決にはならず
- /fetchの1秒待機を外してみる→効果なし
- 206レスポンスを返してRangeヘッダーで返せばいいのでは?→206応答を簡単に実装する方法がわからず
- limit_rateで代用したらタイムアウト
- 302リダイレクトで応答を遅らせればいい?→302リダイレクトはエラーになった
17:24頃 /fetchのチューニング
SQLを見直してN+1を解消
SELECT channel.id AS channel_id, CASE WHEN message_id IS NULL THEN (SELECT COUNT(*) FROM message WHERE channel_id = channel.id) ELSE (SELECT COUNT(*) FROM message WHERE channel_id = channel.id AND message_id < id) END AS unread FROM channel LEFT JOIN haveread ON channel.id = haveread.channel_id AND user_id = ?
18:17頃 画像ファイル生成時に更新日時を合わせる
ベンチマークからのHTTPリクエストをtcpdumpで記録してどのようなリクエストが届いている確認してみる
tcpdump -w dump tcp port 80
その結果をWiresharkに食わせて確認していたところ、If-Modified-Sinceヘッダーを見つけて思いついた。
「画像ファイルの更新日時を合わせてないから304応答を返せていないのだ」と。エウレカ!
def write_image(data, name): output = "/home/isucon/images/{}".format(name) with open(output, 'wb') as file: file.write(data) os.utime(output, (1508559193, 1508559193))
1508559193
は 2017/10/21 13:13:13
、ISUCON7予選1日目の開始日時。
18:33
帯域が多少マシになったのでwebサーバのCPU負荷を下げるために gzip off
18:51頃 /messageのチューニング
SQLを見直してN+1を解消
if last_message_id > 0: cur.execute("SELECT message.id, name, display_name, avatar_icon, message.created_at, content FROM message JOIN user ON message.user_id = user.id WHERE message.id > %s AND channel_id = %s ORDER BY message.id DESC LIMIT 100", (last_message_id, channel_id)) else: cur.execute("SELECT message.id, name, display_name, avatar_icon, message.created_at, content FROM message JOIN user ON message.user_id = user.id WHERE channel_id = %s ORDER BY message.id DESC LIMIT 100", (channel_id, ))
19:00頃 画像ファイル生成時の出力先を/dev/shm/にする
with tempfile.TemporaryFile(dir="/dev/shm/") as f:
19:10 PythonプロファイラWerkzeugの導入
打つ手が少なくなってきたのでWerkzeugでのプロファイルを実施。
from werkzeug.contrib.profiler import ProfilerMiddleware app.wsgi_app = ProfilerMiddleware(app.wsgi_app, profile_dir="/tmp/profile")
gprof2dotを使ってdotファイルを生成し、graphvizを使ってpngファイルを生成。
gprof2dot -f pstats --colour-nodes-by-selftime --show-samples /tmp/profile/* > profile.dot dot -Tpng profile.dot > profile.png
20:27
sleep対応でgunicornのワーカーを減らしてスレッドを大幅にUP
/etc/systemd/system/isubata.python.service
で--workers=1 --threads=1000
と設定
20:31 MySQLパラメータ調整
アプリ側で Too many connections
が出ていたのでMySQL設定変更
max_connections = 8192
と open_files_limit を設定- /lib/systemd/system/mysql.service に
LimitNOFILE=65535
を追記
20:35頃 テンプレートエンジンJinja2のチューニング
jinja2のbytecode_cacheを有効に
app.jinja_options = app.jinja_options.copy()
app.jinja_options['bytecode_cache'] = jinja2.FileSystemBytecodeCache()
20:49 画像データの設置周りを修正
アップロードされた画像をtmpファイルに出力した際に最終的な設置場所にハードリンク
os.link(f.name, output)
20:50過ぎ 再起動テスト
再起動テスト実施
再起動後にベンチ実行したらスコアが乱高下したのでいい感じになるまで繰り返しベンチ実行
与負荷側が安定してて高速で助かった
21:07 ベストスコアがでるまでベンチマークを繰り返す
本日のベストスコア 205148
が出て歓声
21:13 終了
お疲れ様でした。